AIが進化するスピードは、想像を超えている。記録、要約、スケジュール、教育――これまで時間を取られていた業務をAIが肩代わりし、現場では少しずつ“働き方”が変わり始めている。
けれど、介護の本質は“人と人”。どれだけAIが便利になっても、AIが「心」を理解する日はまだ来ていない。むしろ、AIが進化すればするほど、「人間らしさ」の価値は高まっていく。
目次
AIが得意なこと、人が得意なこと
AIは、正確で、早くて、疲れない。記録や分析、スケジュール調整――数字で測れる仕事には、間違いなく強い。
でも、介護の現場には「数字では測れない瞬間」がある。たとえば、利用者さんの表情の“いつもと違う”を察する力。声のトーン、目の動き、沈黙の長さ――そうした「空気を読む力」こそ、人間にしか持てない感性だ。
AIは言葉を理解しても、「気持ち」は理解できない。その差が、介護職の存在意義だと思う。
AIが生み出した“時間”をどう使うか
AIの導入で、現場の時間は確かに増えた。記録の手間が減り、報告書の作成もスムーズになった。けれど、大事なのは「空いた時間をどう使うか」だ。
“時短”の先にあるべきなのは、もっと人と向き合う時間。もっと気持ちを聞く時間。もっと笑顔をつくる時間。
AIがつくるのは「余白」であり、その余白をどう生かすかは、人の感性次第だ。
介護現場に必要なのは、AIではなく「AIと人のチーム」
これからの介護現場は、AIと人がチームで動く時代になる。AIが情報をまとめ、人が判断し、心で寄り添う。この「分業」がうまく回る現場ほど、利用者の満足度も上がっていく。
AIは道具であり、主役ではない。主役はあくまで「人」であり、その人の感情や思いやりこそが、AIには決して再現できないものだ。
最後に
AIが進化しても、“介護”はなくならない。なぜなら、介護は“作業”ではなく、“関係性”だからだ。AIは効率を高めてくれるが、心を通わせることは、これからも人間の仕事だ。
AIと共に働くことで、「人にしかできない仕事」が、より際立っていく。そして、それが介護の未来をもっと誇れるものにしていく。



